補助金等の情報
事業再構築補助金(第9回)
- 正式名称
- 事業再構築補助金
- 最大金額
- 1.5億円
- 募集期間
- 第1回:令和3年3月26日~4月30日
第2回:令和3年5月20日~7月2日
第3回:令和3年7月30日~9月21日
第4回:令和3年10月28日~12月21日
第5回:令和4年1月20日~3月24日
第6回:令和4年3月28日~6月30日
第7回:令和4年7月1日~9月30日
第8回:令和4年10月3日~1月13日
第9回:令和5年1月16日~3月24日 - 補助対象
- 【主要経費】
設備費、システム購入費、建物費等
【関連経費】
新しい事業を開始するために必要な外注費、広告宣伝費、リース費等 - 概要
- 補助額:100万円~1.5億円
補助率:中小企業者等は主に2/3~3/4(グリーン成長枠のみ1/2)
2023年1月16日に事業再構築補助金の第9回公募の公募要領が発表されました。
第9回公募では大きな変更点はありません。
なお詳細については事業再構築補助金の事務局のページや公募要領をご覧ください。
目次
事業再構築補助金の目的
ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。
補助額、補助率
それぞれの申請枠の補助金額と補助率は以下のとおりです。ここでは多くの中小企業者が応募するであろう申請枠に絞って解説していきます。
申請枠 | 補助金額 | 補助率 |
通常枠 | 従業員20人以下:~2,000万円 従業員21~50人:~4,000万円 従業員51~100人:~6,000万円 従業員101人以上:~8,000万円 |
中小企業者等:2/3 (6,000万円超は1/2) 中堅企業等 :1/2 (4,000万円超は1/3) |
回復・再生応援枠 | 従業員5人以下 :~500万円 従業員6人~20人:~1,000万円 従業員21人以上 :~1,500万円 |
中小企業者等:3/4 中堅企業等 :2/3 |
緊急対策枠 | 従業員5人以下 :~1,000万円 従業員6人~20人:~2,000万円 従業員21人~50人:~3,000万円 従業員51人以上 :~4,000万円 |
中小企業者等:3/4 中堅企業等 :2/3 |
最低賃金枠 | 従業員5人以下 :~500万円 従業員6人~20人:~1,000万円 従業員21人以上 :~1,500万円 |
中小企業者等:3/4 中堅企業等 :2/3 ただし一定金額以上は2/3 (従業員数により一定金額は変動) |
グリーン成長枠 | 中小企業者等:~1億円 中堅企業等:~1.5億円 |
中小企業者等:1/2 中堅企業等 :1/3 |
大規模賃金引上枠 | 従業員101人以上:~1億円 | 中小企業者等:2/3 (6,000万円超は1/2) 中堅企業等 :1/2 (4,000万円超は1/3) |
①通常枠
事業再構築補助金の申請要件だけを満たしていれば申請できる申請枠です。3次申請から、従業員数により補助金額の上限が異なるように変更され、6次申請から補助上限金額が引き下げられました。
他の特別枠と比べ補助上限金額が大きいのが魅力ですが、採択率は30%~40%ほどと、かなり狭き門です。
②回復・再生応援枠
2020年4月以降のいずれかの月の売上が前年または前々年と比較して30%以上減少している等の要件を満たした場合に申請できる申請枠。
採択率は60%ほどであり、通常枠と比較してかなり高いです。ただし補助金額は最大でも1,500万円であり、あえて通常枠で申請して、最大の補助金額を狙うという申請の仕方もありえます。
③緊急対策枠
7次申請から新たに創設された申請枠で、原油価格・物価高騰等の、予期せぬ経済環境の変化の影響を受けている中小企業等の事業再構築を支援することを目的としています。
2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019年~2021年の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること等が申請要件となっています。
④最低賃金枠
3次申請から新たに創設された申請枠で採択率は70%程度と最も高くなっています。売上減少要件や最低賃金要件を満たしている場合に申請できます。補助金額や補助率は回復・再生応援枠と同様です。
補助対象経費
本補助金では機械装置等の設備投資だけでなく建物費(建物の建築・改修に要する経費)も補助対象となっているのが特徴です。
ただし第6回公募からは建物の新築 に要する経費 は、補助事業の実施に真に必要 不可欠であること及び代替手段が存在しない 場合に限り認められることとされ、必要性に関する説明書の提出が必須となりました。
また関連経費として外注費、広告宣伝費、研修費等も補助対象となっています。
応募にあたっての注意点
(1)応募にはGビズIDプライムアカウント取得が必要
本補助金は電子申請での受付が予定されています。電子申請にはGビズIDプライムアカウントが必要になります。発行には通常2~3週間程度かかりますが、公募開始後だと多くの申請により発行に時間がかかるおそれもあります。
申請を予定されている方は事前に取得しておくことをおすすめします。
GビズIDプライムアカウントの申請は以下のURLから行うことができます。申請作業は企業情報等の必要情報を入力し、印刷した紙と印鑑証明を送るだけなので早ければ15分ほどで完了します。
https://gbiz-id.go.jp/top/
(2)売上等の減少要件を満たしていることが必要
申請前の2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること等が申請の要件となります。
申請にあたっては証拠資料として確定申告書等の提出も求められます。
(3)認定経営革新等支援機関との協働が必要
本補助金は事業計画を審査され、優れた事業計画に補助金の交付がされますが事業計画は認定経営革新等支援機関(以下認定支援機関)と事業計画を策定することが必要です。
認定支援機関とは中小企業に対して専門性の高い支援事業を行うものとして行政から認定された機関です。多くの金融機関は認定支援機関となっているので、まずは取引のある金融機関に問い合わせてみるといいかもしれません。
当事務所は認定経営革新等支援機関として登録されておりますので、当事務所に申請サポートをご依頼いただいた場合、こちらの要件は満たすこととなります。
事業再構築指針について
令和3年3月17日に事業再構築指針が公表されました。本指針は事業再構築補助金の支援の対象を明確化するために「事業再構築」等の定義について明らかにされたものです。本指針では事業再構築についてかなり細かく定義されていますので、本稿ではかなり噛み砕いて説明しています。そのため厳密にいうと適切ではない説明がある可能性もありますので、その点ご了承おきください。
(1)事業再構築の定義
事業再構築に該当するためには以下の5つのどれかの要件に該当する必要があります。
一般的には、以下の順で再構築の割合が高いと言えると思います。()内は転換の例です。
事業再編(合併など)>業種転換(小売業→製造業など)>事業転換(食料品製造→機械製造など)>新分野展開(新製品開発など)>業態転換(店舗無人化など)
(2)5つの要件を満たすための要件
(1)を満たすための要件として、更に詳細に定義されています。
製品の新規性、市場の新規性、製造方法の新規性はその字の通りイメージしていただければと思います。これらにも該当するための詳細な定義がありますが、細かくなるのでここでは割愛します。
売上高10%以上の要件は新たな製品等の売上高が総売上の10%以上となることと定義されています。
売上高構成比の要件は新商品等の属する事業が最も高い売上高構成比になることとです。
指針ではさらに詳細に定義づけがされているため、事業再構築補助金の申請書上ではどれに該当するかについて背景や理由も含めある程度記載することが必要になりそうです。
審査項目・加点項目
事業再構築補助金の公募要領の公表に伴い、審査項目・加点項目が公表されました。事業再構築補助金の審査にあたってはこの審査項目に沿って得点がつけられ、得点が高いものから順に採択がされていくものと思われます。
そのため申請にあたっては、審査項目を熟読し、その全ての内容を申請書に盛り込むことが採択の近道になります。
なお第7回から審査項目に変更がありました。変更部分には下線を引いています。
審査項目
審査項目は、大きく事業化点、再構築点、政策点の3つに分かれています(補助対象事業の要件としての適格性は形式的に満たさなければならない点なのでここでは省略します)。
事業化点は本補助金で遂行する事業について評価されます。そのため、事業実施のための体制、財務面、収益性などの事業遂行能力について審査されます。
再構築点は事業再構築のための取り組みになっているかどうかという点について評価されます。事業再構築指針に沿った取り組みであるかや再構築の必要性、リソース面などに照らして適切な再構築内容になっているかが審査されます。
政策点は国の政策に合致した取り組みであるかが評価されます。そのためデジタル技術の活用など先端的な技術を用いているか、地域特性を活かしているかやニッチ分野での差別化が行えておりグローバル市場でもトップとなる潜在性を有しているかなどが審査されます。
(1)事業化点
① 本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。※複数の事業者が連携して申請する場合は連携体各者の財務状況等も踏まえ採点します。
② 事業化に向けて、競合他社の動向を把握すること等を通じて市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。市場ニーズの有無を検証できているか。
③ 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。補助事業の課題が明確になっており、その課題の解決方法が明確かつ妥当か。
④ 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果的な取組となっているか。
(2)再構築点
① 事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。
② 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスや足許の原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。
③ 市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。
④ 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。
⑤本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか。
(3)政策点
① ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済社会の変化に伴い、今後より生産性の向上が見込まれる分野に大胆に事業再構築を図ることを通じて、日本経済の構造転換を促すことに資するか。
② 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
③ 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えてV字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。
④ ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
⑤ 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できるか。
⑥ 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。
加点項目
7次公募から物価高騰にかかる加点項目が追加されました。加点項目はいろいろありますが、通常の中小企業等には該当しないと思われるものも多く、多くの方が取られるであろう加点は以下の4つかと思います。
【大きく売上が減少しており業況が厳しい事業者に対する加点】
① 2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年又は2019年同月比で30%以上減少していること(又は、2021年10月以降のいずれかの月の付加価値額が、対2020年又は2019年同月比で45%以上減少していること)。
【最低賃金枠申請事業者に対する加点】
② 指定の要件を満たし、最低賃金枠に申請すること。
【経済産業省が行うEBPMの取組への協力に対する加点】
③ データに基づく政策効果検証・事業改善を進める観点から、経済産業省が行うEBPMの取組に対して、採否に関わらず、継続的な情報提供が見込まれるものであるか。
【足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けている事業者に対する加点】
④足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響により、2022年1月以降のいずれかの月の売上高(又は付加価値額)が、2019年~2021年同月と比較して10%(付加価値額の場合15%)以上減少していること。
当事務所の申請サポート料金
当事務所では事業再構築補助金の申請サポート業務として、申請書等の作成代行から補助金の受給に必要な完了報告まですべてを以下の料金にて行わせていただいております。
当事務所は申請要件の一つである認定経営革新等支援機関としても登録されておりますので、お気軽にご相談・お問い合わせください。
着手金:11万円(税込)
成功報酬:2,000万円までは補助金額の11%(税込)、2,000万円超は補助金額の5.5%(税込)
※成功報酬の下限は55万円(税込)
当事務所の採択実績
当事務所では採択が発表されている第7回公募までで、17案件の申請をサポートさせていただき、15件が採択(うち1件は一度不採択となり再チャレンジで採択)されており、受託件数に対する採択率は93.3%となっています。
当事務所の実績は中小企業庁が公表している認定支援機関検索からも確認いただくことが可能です。
こちらの認定支援機関検索のページでは他の認定支援機関の採択率も確認することができますが、支援数が10を超えている認定支援機関で、採択率が90%を超えている認定支援機関はほとんどなく、かなり高い採択率だと自負しています。
【当事務所の事業再構築補助金の申請実績】
申請回 | 支援事業者数 | 採択件数 | 採択率 |
第1回 | 6 | 5 | 83.3% |
第2回 | 1 | 1 | 100% |
第3回 | 1 | 1 | 100% |
第4回 | 3(※) | 3 | 100% |
第5回 | 3 | 3 | 100% |
第6回 | 1 | 1 | 100% |
第7回 | 2 | 1 | 50% |
合計 | 17 | 15 | 88.2% |
(※)うち1件は当事務所でサポートさせていただきましたが、金融機関を認定支援機関として申請したため、認定支援機関検索の画面では2件として表示されています。
終わりに
新型コロナウイルスの感染拡大により働き方やデジタル化などが10年以上早まったと言われています。また新型コロナウイルスにより多くの人の行動やニーズが変容しています。新時代のニーズをとらえ、売上を拡大していくためにも事業再構築補助金は有用な補助金であるといえます。
当事務所は認定支援機関を取得しており、補助金申請に関しても豊富なノウハウを持っております。お客様のことを第一に考え事業計画の作成をサポートさせていただきます。
簡単なご相談でも結構ですので、気になることがあればお気軽にご連絡ください。
当サイトでは正確な情報をお伝えできるよう努力しておりますが、確実性や完全性を保証するものではありません。
当サイトの情報を利用することによって損害が生じた場合でも、一切の責任を負いかねますので、利用に関しては、ご自身の責任において行って頂くようお願いいたします。