吉元公認会計士事務所

電話番号 070-8303-7805
受付時間:
平日9:00 ~ 18:00
お問い合わせ

新着情報

  1. HOME
  2. 新着情報
  3. 【事業再構築補助金】第3回公募の解説【事業再構築補助金】第3回公募の解説

【事業再構築補助金】第3回公募の解説

事業再構築補助金

 事業再構築補助金の第3回の公募が令和3年7月30日(金)18時に開始され、公募要領も公開されました。

 本記事では第2回と第3回の違いについて大きな変更点に絞って解説していきます。

大きな違いは3点

 事業再構築補助金は、新型コロナウイルスによる影響を受けた事業者に対する挑戦を支援する補助金であり、第2回から第3回にかけてそれほど大きな変更はありません。
 しかし細かく見ると変更がされている箇所がいくつかあり、以下の3点が大きな違いであると考えています。

①通常枠の補助金額が、従業員数に応じて上限を設定
②最低賃金枠、大規模賃金引き上げ枠を新しく創設
③売上高減少要件の変更

 それぞれの変更点について以下で確認していきましょう。

①通常枠の補助金額の変更

 第2回までは通常枠の補助金額は中小企業者等は100万円~6,000万円、中堅企業等は100万円~8,000万円でした。
 第3回では従業員数によって上限額が異なっており、従業員数が20人以下の場合の上限額は4,000万円に設定されました。

②最低賃金枠、大規模賃金引き上げ枠の創設

 第3回公募から、最低賃金の引上げに向けて、賃上げの前提となる生産性向上を図るための支援策として、新たに最低賃金枠と大規模賃金引上枠を創設されました。

 最低賃金枠の補助金額及び補助率は緊急事態宣言枠と同一になっており、補助金額は従業員数によって上限が設定されており、補助率は中小企業者等が3/4、中堅企業等が2/3となっています。

最低賃金枠の要件

 最低賃金枠の申請要件は以下のようになっており、③と④が他の応募枠と大きく異なる部分です。③の売上減少30%以上については、緊急事態宣言枠と異なり2020年4月以降が対象となっています(緊急事態宣言枠は2021年1月~8月が対象)。
 また、緊急事態宣言枠と同様に、最低賃金枠で不採択になった場合は加点の上、通常枠で再審査されるとなっています。

 新型コロナウイルスにより売上が大きく減少しているが、最低賃金+30円以上(公募要領の以内は誤字?)の従業員が10%以上いるがんばっている会社等に対する申請枠であるといえそうです。

 大規模賃金引上枠は多くの(従業員数101人以上)従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させる中小企業等のために創設された申請枠となっており、補助金額も8,000万円~1億円と大規模なものになっています。

 こちらは対象となる企業等は多くないと思いますので、本記事では割愛させていただきます。

③売上高減少要件の変更

 第3回公募から売上高減少要件について若干の変更があり、付加価値額の減少も認められるようになりました。まず売上高減少要件の記載は以下のようになりました。

「(a)2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少しており、(b)2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること」

 なんか文章が長くてめちゃくちゃ分かりづらいですね。。第2回は2020年10月以降の売上が過去と比べて10%以上落ちていることが要件であったため、(a)部分が新たに創設され、(b)が10%だったのが5%に緩和されています。

 おそらく第2回と同様に2020年10月以降の売上が10%以上減少している場合は(a)(b)を満たすことになります。そのため2020年10月以降の売上減少が5%~10%の事業者に対する救済的な追加になっていると考えています。

 また第3回公募では売上減少ではなく付加価値額(=営業利益+人件費+減価償却費)の減少で計算することも認められるようになりました。付加価値額の場合は、(a)は15%以上減少、(b)は7.5%以上減少となっています。

まとめ

 ①通常枠の従業員数による金額変更は申請者にとって不利な変更、②最低賃金枠等の創設③売上高減少要件の変更は申請者にとって有利な変更になっていると思います。

 上記以外でもちょこちょこと変更がありますので、申請を予定されている方は公募要領を熟読することをおすすめします。

 全5回の公募が予定されているので、第3回はちょうど折返しになります。これまで不採択で再挑戦する人も新しく挑戦する人も、みなさまの素晴らしい事業計画が採択されることを祈念しております!

 

当サイトでは正確な情報をお伝えできるよう努力しておりますが、確実性や完全性を保証するものではありません。
当サイトの情報を利用することによって損害が生じた場合でも、一切の責任を負いかねますので、利用に関しては、ご自身の責任において行って頂くようお願いいたします。